こんにちは。
今回はこの時計の紹介です。

ファイブアクタスは、オーソドックスで落ち着いたデザインが多いファイブ
よりもスポーティなイメージで、若年層向けにつくられたシリーズです。
価格も10,000~12,000円程度と、1969年当時の普及機価格です。とはいえ
大卒初任給が34,000円でしたので、安いモノではありません。時計は今よりも
高級品だったのです。現行時計だとセイコーメカニカルSARG009くらいでしょうか。
ファイブ・ファイブアクタスは中高校の入学祝いなどで貰った方も多かったようです。
カラー文字盤や大きめのケースなど、ビジネスで使うには少し派手なデザインでした。

このファイブアクタスは、文字盤が特徴的です。インデックス・分メモリが別パーツ
でつくられ、少し浮かせて設置されてます。外周部にテーパーがついており、
より立体的に見えます。これがなかなかカッコいいのです。
針もインデックスに合わせてセンターライン付きのバーハンド。
長針先端は、浮遊インデックスの上をかすめるように回ります。
文字盤ベースは紺色。おそらくペイントでしょうが、ベースの金属質感が微妙に
透けるような、透明感のあるペイントで安っぽさはありません。
色も光の加減で、黒から青に可変する紺色。落ち着いた色で私の好みです。
ファイブと言えば、機械式時計入門機で最安価な時計として知られていますが、
コストダウン優先の現行モデルと違い、オールドファイブはデザイン・つくり共に力が
入っており、現行モデルより全体の質感も高く丁寧な仕上げなのです。
ちなみに文字盤下部にあるSSとはSECOND SETTING(セコンドセッティング)つまり
秒針規制装置(ハック)のことです。通常のファイブには現行モデルにもついてません。

ケースは当時流行ったクッションケースです。大きく見えますが、幅36mm・全長42mmと
私の細腕にも難なく収まる大きさなのは、オールド時計ならではですね。
ケースサイドを薄く見せるために、かなり持ち上げたデザインなので、横から見ると
ケース本体・ラグが浮いた感じに見えますが、実際にはフィット感も悪くないです。
風防は少し厚めのプラ風防です。純正かどうか分かりませんが、エッジの効いた
形状が文字盤デザインにマッチしています。

61ファイブアクタスで面白いのが、カレンダーの早送り機構ですね。
4時リューズを、チョイ押し:日付早送り、グッと押し:日付曜日早送り です。
現在のカレンダー早送り機構の主流であるセイコーロードマチック方式が定着するまで、
各社試行錯誤していました。
これ良さそうなんですけど、あまり使いやすくはありません。
グッと押すと、日付と曜日が早送りされるので、まずは曜日を合わせます。
その後、チョイ押しで日付早送りするのですが、力加減が慣れないと難しく
少しでも強く押すと、曜日も変わってしまい最初からやり直しです。
当然順送りしか出来ませんから、ボタンを連打することになります。
今回は紺色のバッファロー革のベルトを合わせてみました。
松重商店 YC312d 18mm
http://store.shopping.yahoo.co.jp/watchband/yc312d.html色もピッタリですし、価格の割に質感の高いベルトなので満足してます。
ファイブアクタスは玉数も多く、ヤフオクでも大量に出品されます。
平均落札価格は1,000~5,000円くらいでしょうか。デザインによって落札価格はかなり
変動しますが、デッドストックでもない限り、数千円で落とせます。
デザインも全てを把握できないほど種類がありますから、自分が気に入ったモノを
探すのも楽しいですよ。
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よろしくお願いいたします。