
ええーーーまたぁ。もうええって。
ごめんなさい。これで打ち止めなので勘弁して下さい(笑)
最後は諏訪製 6106-7600 です。
先日の記事に写っていたので、バレバレでしたね。ははは。
発売当時は16,000円。1974年後半にはカタログ落ちしたモデルです。
オークションにも度々出品されるので現存数は少なくありません。

セイコー販売店用 ウォッチカタログ1974年vol.1からの転載です。
当時のカタログは重要な資料です。私はコレクタ-ではないので、カタログそのモノ
には全く興味がありませんが、中の情報は喉から手が出るほど欲しいのです。
これでオリジナルの仕様が分かります。オールド国産時計はベルトが純正でないこと
が多いですね。今ではカットガラスも手に入りにくいので、カット数が違ったり
平ガラスに替えられてることがあります。
オークションでも出品されているガッチャ(部品組換え)を判断する根拠になるのです。
私はオリジナル至上主義ではありませんが、レストアするときはオリジナルに戻す
のが基本です。設計・デザイン意図を汲み取ったり、モデルチェンジや他モデル
の相違を探して研究するときにオリジナル状態を知ることが必要です。

この5アクタスもキレイな緑色(ウグイス色)ですね。
サンレイ仕上げのセンターグラデーション。
このカットガラスは自分で研磨しました。面の歪みもなくエッジも立ったまま
で仕上がったと思ったのですが、よく見ると角度によっては稜線が細く白く光る
のです。これはエッジの先が立ってない証拠です。新品の純正カットガラスは
この細い光が限りなく無いのです。うーむ。まだまだなんだなあ。
鑑賞に耐えうるレベルには仕上がったとは思うのですけど。

変わった形のインデックスです。断面はTの字になっていて、インデックスが
浮遊しているように見えます。この写真では分かりませんが、このインデックスの
外面(外周部)には夜光塗料が塗られています。今はもう光らないのですけど、
おそらく夜光は文字盤外周のメッキリングに反射してボワッと光ったのでしょう。
このジャンク文字盤が手に入ったら、ルミノーバ塗布して実験してみたいですね。
針はオーソドックスなバーハンドです。インデックスが高いので、長短針ともに短めです。

ケースは当時流行っていたCライン(※1)派生です。ただし中心を盛り上げた、
かなりボリュームのあるケースです。横から見ると台形になっていて、もはやCライン
とはいえませんね。でもサイドラインのカーブがキレイなんです。このサイドを薄く
削りだしているため、ボリュームのわりに繊細でスッキリとした印象です。
この角度から見るとまさに装身具ですね。
※1:ジェラルド・ジェンタ氏がデザインしたケース。美しいサイドラインと一体化した
ラグが特徴。オメガ コンステレーションなどに採用されました。

先日紹介した 6106-7690 ほど凝ったベルトではありませんが、面白いです。
ケースは丸いけど、ベルトはやたら角ばっていています。カットガラスを
意識してると思うのですが、ここは普通にオーソドックスな5連ベルトでも
良かった気もします。大きめのプレートを連結したこのようなベルトデザインは
各社使っていましたね。

クラスプは、5アクタス共通です。気持ちよく使える良いモノです。

このモデルはヤフオクでは、月に2~3個程度出品されます。
ジャンクだと1,000円程度、並~良品でも2,000~5,000円程度で落札できます。
アクタスは中高校生によく売れた時計なので、扱いが荒く程度の良いモノが
残っていません。相当数売れたようですけど、デッドストック級のモノは
滅多に出てきません。
同じような時計を4本連続で紹介してきました。
実はこれには理由があります。お世話になっている人から、「中学生の時に初めて買って
もらった時計は5アクタスの緑グラデーション文字盤&カットガラス」と聞いていたのです。
そこで該当するモデルの情報を集めて、ヤフオクで買い集めました。
デッドストックがあれば時間はかかりませんけど、出品されるのはジャンク~並品ばかり
なので部品集めに苦労しました。各モデルドナーを数個買い、1番状態の良いモノを組み
合わせました。最後まで手に入らなかったのが、カットガラスです。結局4~5ヶ月
かかっても出てこないので、研磨方法を研究することになったのです。
自分の時計ではないので、ケース研磨もいつもより気合が入っています(笑)
先日、完成した4つのアクタスから当時使っていたモデルを選んでもらい、お渡ししました。
サプライズだったので驚かれていましたが、大変喜んでいただきました。その姿を拝見して
私も嬉しくなり苦労が報われました。まあ好きで夜な夜なやってる趣味なのですけどね。
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