前回の続きです。
まずは文字盤から。

オリジナルサムライに比べ、12・6・9時インデックスが大きくなりました。
5角形・台形のインデックスが目立ち、イマイチだなあと思ってたのですが、
実物は意外に悪くありません。12時インデックスが目立つと、どの角度から
見ても時刻が読みやすい。後述しますが、面積が大きいと夜光も明るいのが
良いですね。メッキの縁取り付きなので見栄えがします。
文字盤ベースは、オリジナル海外サムライと同じくワッフル模様。よく見ると昔のライター
などでよくあるダイヤカットの反転です。サンレイの派手さや、マットの見やすさは
ないけど、これがカッコいいのです。直線基調のデザインに似合ってます。
お約束のプリントのセイコーロゴに、もう見慣れたでしょうXマーク。
良いですね。文字の大きさ・配置ともに申し分ありません。
カレンダー枠を付けなかったのが素晴らしい。オリジナルサムライの白枠は目立ちすぎる
のです。ノンデイトが理想ですけど、それは無理でしょう。カレンダーは意識しないと
気付かないくらいの存在でちょうどいい。

長針・短針は、国内版6Rモンスター(SBDC025)と同じ針だと思います。4Rモンスター(SRP307)は
白塗り針だけどこれはメッキ針。視認性は落ちますけど、少しだけ高級に見えます。
私はオリジナルサムライに触れています。あのシンプルなペンシル針は、刀と脇差に見えました。
もちろんサムライというペットネームがあるからです。そんなイメージが焼き付いていたので、
このモンスター針には違和感があったのです。多くのセイコーダイバースファンがそうでしょう。
実物をしばらく使っていると、だんだんと見慣れてきました。この短針のいいところは
一瞬で短針と分かり時刻が読みやすいこと。オリジナルサムライを知らない人には、これで
いいのではと思えるようになりました。私の勝手なイメージが邪魔してるだけでしたね。
秒針は、オリジナル海外サムライと同じデザインです。
先端の赤色は主張し過ぎず、三角の夜光部もインデックスと重ならないので読みやすい。

近年のセイコーダイバーズと同様に強く長く光ります。12時位置の5角形インデックスが大きく
分かりやすいです。夜光は安心のルミブライト(根本 N夜光 ルミノーバ)、現在これ以上の
蓄光性夜光顔料はありません。スイスの高級時計もコレらしいですね。こういうメーカーが
頑張っているから、日本のモノつくりも維持できていると思うのです。私は使っているだけですが、
なんだか誇らしくなります。

ベゼルは、オリジナル国内サムライを踏襲しています。ただし文字フォントが違います。
これは復刻サムライのほうが良いですね。この細く直線的なフォントがよく似合ってます。
ベゼル側はオリジナルサムライ同様、綾目ローレット加工が施され、滑りにくくなっています。
回転ベゼル外径43.7mm インサートディスク外径41.0mm インサートディスク内径33.3mm
実測サイズは復刻サードよりさらに一回り大きいのですが、あまり大きく見えません。
ベゼル端部が薄いこと、インサートディスクには傾斜がついていることが要因でしょうか。
ベゼルの感触は、これまでの低価格セイコーダイバーズと同じです。ガタはなくチキチキと
スムーズに回転します。逆方向防止つきの120クリックです。

サムライの特徴は、この平面で構成されたケースです。
サムライの由来は、ラグと弓管を斜めにスパッと切り落としたような形状からイメージした
そうです。私は昔、木工をしていたので、カンナやノミの刃に見えます。
他に類を見ない独自のデザインです。ケースを見ただけでサムライと分かる。これは現行の
没個性的な時計にはない魅力です。


真横から見ると形状がよく分かります。下側は真っ直ぐではなく腕のカーブにあうように
ラグ先端が下げられ斜めにカットされます。(裏蓋が少し見えます)
オリジナルサムライと同形状ですが、オリジナルサムライには片側2ヶ所、計4ヶ所、
丸い飾り意匠がありました。復刻サムライは省略されています。好みもありますが
私は無い方がシンプルで好きですね。

ケース横の面も真っ直ぐではなく、テーパーが付けられています。これはセイコー伝統手法です。
こうすることで、スッキリとシャープな感じになります。実寸より小さく見える効果もあります。
本当に重要なところです。ここが真っ直ぐだと鈍重で野暮ったくなります。

リューズは、ベゼル側と同じ綾目ローレット加工が施され、かなりグリップします。
本格的な道具に多用される加工です。無骨な感じがダイバーズに似合います。
オリジナル国内サムライと同形状のリューズガードがつきます。手元にオリジナルがない
ので写真比較ですが、リューズガード少し小さくなっています。
変わらず素晴らしいデザインのケースなのですが、仕上げは粗くなった気がします。
オリジナルサムライも発売は2004年発売なので、すでに自動機械研磨(バレル研磨)です。
特に裏面はエッジが丸くツヤツヤ仕上げ。しかし見えるところは手作業でヘアラインを
入れています。1980年代までの切れそうなエッジは望むべくもないですが、それでも
全体的にパリッとしていた印象があります。
この復刻サムライのケースは、特にリューズ側が残念ですね。面はうねり、角もダレて
しまっています。低価格帯の時計ですからコスト的に厳しいのでしょうけど、こういう
細かいところの仕上げが全体の雰囲気をつくりますから重要なことです。

低価格帯の時計はどこかで手を抜いてコストダウンするしかないのです。所有満足度的は
イマイチだけど、裏面は使っていると見えないところなので気になることはありません。
もちろんボーイやモンスター、復刻サードなども同じツヤツヤヌメヌメ仕上げです。
平面を削り出してレーザー刻印された裏蓋です。中央の波マークは継承されています。
おそらく品番が違うだけで復刻サードの裏蓋と同じモノでしょう。
2017年7月製造でした。もっと前の製造・在庫だと予想してたのですが、意外に
新しいです。本当に製造が間に合ってなかったのかもしれませんね。
長くなってきたので今回はここまで。
次回はベルト・その他についてです。
お楽しみに。
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