今回は観音開きDバックルの形状や品質の差について書いてみます。
まずは松重商店のDX01とDX09の比較
写真 左 松重商店 DX01 右 松重商店 DX09


閉じた状態だとほとんど違いが分かりませんが。開くとロックの構造が違うのが分かります。
従来のロック方式のDX09は穴の開いたプレートの下にロック爪がありプッシュボタン押すと
爪が内側に動きプレートから外れオープンできる仕組みです。
新しいロック方式のDX01は一見分りにくいですが、プレートの横に丸穴が開いていて、その両サイドに
ロック爪がありプッシュボタン押すとロック爪が引っ込み(不思議ですけど)プレートから外れ
オープンできる仕組みです。同じ構造のDバックルはあまり見かけませんが、ヒルシュに
同じ構造のDバックルがあるようです。価格は3倍で私にはとても買えませんが・・・
・DX01の方がロックが軽く、カチャリとロックの音・感触が心地いいです。
DX09が悪いわけではなく比較するとロックの硬さを感じるのです。
・これが私の一番大きな評価ポイントですが、DX01は金具の腕にあたる凹面部が滑らかなこと。
DX09は構造上センターにプッシュボタンが収納されるのでその部分が出っ張っています。
これが腕に当たって少し気になるのです。またその出っ張りの分、金具が厚くなります。
・形は好みですが、DX01のベルト通しはもう少し細いほうが良いと思います。
DX09のベルト通しは丁度良い幅なのですが、もう少し平べったいと良いかなと思います。
これは仕方ないです。それに時計の裏側なので使用時にはほとんど見えないし気になりません。
次に仕上げによる比較
写真 左 松重商店 DX01ポリッシュ仕上げ 右 松重商店 DX01ヘアライン仕上げ

やはりヘアライン仕上げのほうが面の平滑度が高く部品の精度も高く見えます。
ポリッシュ仕上げは、高度でコストの掛る面のダレない研磨は価格的に無理です。なので
バフ仕上げによる面のうねりやエッジだれが見られます。仕方ないですし十分許容範囲です。
まだ実行はしてませんが、ヘアライン仕上げのベルト通し部分だけを研磨してポリッシュ仕上げ
をすれば一番満足できるDバックルになるかもしれません。
どちらにしても開いて腕から時計を外したときにしか見えません。取り付ける時計に似合う仕上げ
を選べばいいと思います。
最後に松重商店のDX09と密林Dバックルの比較
写真 左 密林Dバックル 右 松重商店 DX09



密林Dバックルは900円程度。(私が買った時は800円位でした)おそらく国内に流通している
Dバックルの最底辺だと思われます。おこずかいが少ない私ですが、今まで安物買いの銭失いは
イヤと言うほど経験しているので盲目的にポチることはないのですが。レビューの評価がそこそこ
良いこと。増殖している時計のDバックル安定供給のため。比較検討の研究サンプルとして購入する
ことにしました。
松重DX09Sと密林 Dバックルはロック部の基本構造は同じですし、意識しないと
現物を見るだけでは違いが分からないかもしれません。写真はマクロ撮影してますので、実際に
見える大きさよりかなり拡大しています。
まず大きく違うのはプッシュボタンの収納部がDX09Sがネジ止め、密林Dバックルは四隅溶接止めです。
おそらくここを分解してメンテナンスをすることはないと思いますが、それより密林Dバックルの
溶接されたプレートの出っ張りの角が立っているので、腕への当たりがきついです。プッシュボタンの
角もエッジが立っています。というか部材の切断面がそのままなのです。つまり仕上げをしていない
面があるのです。プッシュボタン側面(直線部)やベルト通しの端部など。
構造も実は少し違うのです。密林Dバックルの本体中央はDX09Sのように四角に肉抜きしていません。
これは丁番部にベロを取り付けるためです。このベロは板バネの役目をして可動プレートを開く
働きをします。そのためプッシュボタンを押すとパカッと勝手に開くのです。これは結構便利そう
ですが、私はあまり意味がないと思います。DX09Sもプッシュボタンを押すと少し開きますし、時計
を外すときは手で開きますので、勝手にパカッと開く勢いは必要ないかな。
本体と可動プレートのクリアランスに注目してください。密林Dバックルはスカスカで丁番のピン
も見えてます。丁番のピン頭も大きくはみ出てます。前述した板バネによる開閉はおそらくこの
加工精度をごまかすためだと推測します。バネがあるとクリアランスが大きくグラグラするところ
を抑えることができます。
可動プレートのロック穴・ザグリ穴の加工精度も違い、密林Dバックルは穴も傾いているし
バリも大きく荒いです。
密林Dバックルのベルト通しはプレートが分厚く、曲げもきれいではありません。内側を見ること
はないですが、 DX09は内側もポリッシュ仕上げまではしてませんが、平滑で面がキレイです。
---比較結果---
細かく比較しましたが、結論として密林Dバックルでも普通に使えます。ただし長期間使ったことは
ないので耐久性は不明です。比較するDバックルがなく初めて使うなら多分なんの問題もないでしょう。
比較すると装着感の良さで DX01>DX09>密林Dバックル となります。寸法も少しずつ違うので
完全ではないのですが、密林Dバックルは使用してると腕の当たりが気になり、外すと腕にバックル
の跡がつくのです(DX01・DX09も多少はつきますけど比較すればの話です)
やはり私は総合的に考えてこの中では一番高価ですがDX01を選びます。実際にDX01は数個買ってます。
あっ。いまさらですが一応、私は松重商店の関係者でもヨイショ記事を依頼されたわけではありません。
時計好きな庶民の方なら一度はお世話になる、コストパフォーマンスにすぐれた商品を沢山扱って
いるお店ですよね。
今のところDX01が自分の腕にフィットし、コストパフォーマンスもよく、鑑賞にも耐えうるDバックル
だからです。他に良いのがあればすぐにでも購入します。もちろん5,000円位までですが。
Dバックルが気になった方は、まずはネットで色々見ると楽しいですよ。そして形に注目して比較して
いくと膨大な数があると思われたDバックルも実は同じモノを違う名前やメーカーで売っていることが
分かります。松重商店DX09は松重HPでもオリジナルではないと書いている通り、他でも販売しています。
例えばカ◎スと書いてるDバックルはどう見てもDX09と同じです。ごめんなさい正確には同じと推測します。
実物を比較すれば確実ですが、さすがにこのためだけに2倍近い価格で同じものを買うのは厳しいです。
密林Dバックルもネットやオークションにて数倍の価格で販売されています。もちろんいくらで
売ろうと問題ないですが、どうせ買うなら情報集めて少しでもお得な方がいいですよね。
また新たな良いDバックルが見つかったら続きを書いてみます。
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コメント
コメントありがとうございます。
拝見しました。ロック部は松重商店DX09と構造が同等に見えますが、
美錠に見えるデザインがすごく良いですね。全て欠品なのが残念です。
Dバックルの参考になりました。
ご存知かと思いますが、現在は松重DX01の改良版DX02が発売されたようですね。
01に比べて02のベルト通しが小さくなっているようで。
かく言う自分は02の在庫が無いために、01を購入してみました。
こんばんは。
コメントありがとうございます。
そうですよね。02はまだ20mmしかないようなので、
購入してないんです。16mmがでたら比較記事書いてみます。
DX01は本当にいいですよ。薄いですし、脱着時の感触がカチャリと
気持ち良いのです。これで3,500円ですからね。
いまのところこれ以上コストパフォーマンスが高いDバックル
を知りません。良いDバックルがありましたら教えて下さいね。
気が向いたらまたのぞいてやってください。
今後ともよろしくお願いします。
現在新型でしょうか、DX01Aなるものが発売されております。DX01と比べるとすこし留め具が長く、プッシュボタンの飛び出しが長めに見えますが、おすすめはどちらになりましょうか…
こんにちは。
コメントありがとうございます。
もう5年前の記事ですね。時が過ぎるのは早いです。
最近はDバックルを探していませんが、未だにDバックルの構造は変わりません。センターに爪がある方式です。DX01方式は松重が独占していて他で見たことがありません。ブログ記事の通りこの方式はロックが軽くて確実に固定される素晴らしい構造です。
DX01Aは構造は同じで、デザインが少し違うだけに見えます。私はDX01Aは持っていませんが、好みで決めれば良いと思います。バリエーションが多いのでDX01が主力なのだと思います。