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セイコーを想う

遅ればせながら、ガイアの夜明け「究極を超える!時計戦争~日本VSスイス~」を
見ました。セイコーのお話ということなので、セイコーファンとしては見ないわけ
にはいきません。

一流の技術者が切磋琢磨してさらなる技術を習得するお話は感銘を受けました。
地味だけどこういう個人の努力が企業の力になるのは間違いありません。

しかし舶来ブランド時計に追いつこうと、同じ土俵に立ち高級路線にシフトしていく
のは、大丈夫かなあというのが正直な感想です。安易に貴金属・宝石をつかい価格を
上げただけのモデル。セイコーデザインを踏襲していくのも大事だけど、このデザイン
で舶来ブランド時計を超えることができるのかなあ。セイコーマニアや保守層には
受け入れられると思うけど、舶来ブランド時計に対抗できる要素が分かりませんでした。


セイコーの強みは、そこではないでしょう。
クォーツショックを起こし、スイスメーカーを瀕死の状態まで追い詰め、
世界のセイコーとなったのは、世界初のクォーツ腕時計を開発したからです。

さらに昔、機械式時計全盛期、セイコーはスイス天文台クロノメーターコンクールに
挑戦しました。結果、数年で上位を独占し、天文台コンクール自体が無くなりました。
それだけセイコーの技術力がスイスにとっては脅威だったのです。

セイコーダイバーズは、50年以上の研究開発、海洋研究開発機構(JAMSTEC)の協力などに
より、世界に誇るダイバーズウォッチです。JISやISOのダイバーズウォッチ規格の制定にも
セイコーは貢献しています。舶来ブランド時計は決して同じ土俵に上がってきませんが、
真っ向から技術勝負しても負けることのない性能を備えています。

セイコーではありませんが、腕時計の夜光塗料は、根本特殊化学のN夜光・ルミノーバが
ほぼ独占しています。つまり舶来ブランド時計の夜光は日本の塗料をつかってます。
またテフコ青森の電着技術を使った文字盤も多くのメーカーが採用しています。
これらの技術は、長年苦労して開発されたもので一朝一夕にできるものではありません。
他メーカーが真似したくてもできない優れた技術なのです。


クォーツショックで瀕死の状態になったスイスメーカーは、生き残ったメーカーを合併し
生産システムを合理的に再構築しました。そして世界的にブームとなったスウォッチを
生み出します。一方で、機械式時計に芸術的な手仕事や先進技術・素材などの付加価値を
つけ、宣伝による魅力的なイメージをつくりだしました。この巧みなマーケーティングで
スイスメーカーは世界一に返り咲くのです。

セイコーは、販売単価が低いです。だから高級ブランドとして確立し単価を上げていく
戦略も理解できます。しかし従来の舶来ブランド時計と同じようなことをしても
太刀打ちできるとは思えません。もちろん努力し続けることでそれなりの成果を上げる
ことはできるでしょう。しかし先にも書いたようにセイコーの強みは、他のメーカーには
できない技術力です。世界をあっと驚かせるような新たなモノの開発力です。

私はセイコーファンなので、セイコーが今までやってきたことや、素晴らしい技術者が
いることを知っています。これだけのことやってきたのに多くの日本人が知りません。
スイスの時計は高級でスゴイと刷り込まれているのに、国内メーカーで知られてるのは
カシオのGショックくらいだと思います。本当にイメージ戦略が下手だなあと思います。
日本では隠し言わないことを美徳としますから、苦手な分野なのでしょう。


時計自体の価値・存在は昔とちがいます。今では腕時計をしない人も多いです。
高級時計のステータスなんて業界によって操作されたイメージに過ぎません。
世の中のほとんどの人は、安価な腕時計をつかい生活しています。

高級時計に力を入れることも大事でしょうけど、大多数の人が購入する普及品を
ないがしろにすると、他国の新興勢力にシェアを食われてしまうような気がします。
日本の電化製品と同じ末路を見るのは寂しいですね。時計は嗜好品の要素も強いので、
電化製品のように単純にはいかないだろうけど、先日記事に書いた中国コピーを見ると
脅威に感じます。プロデュースする人しだいでどんな時計でもつくることができます。
弱肉強食の世界だから仕方ないのですけど・・・




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徒然 雑文 | Comments(10) | Trackbacks(-)

コメント

No title
編集
私もガイアの夜明けを観ました。
最初に私が気になったことはウブロvsGSという構図で、
GSの競合対象は主にロレックスDJやDDであってウブロではないはずです。
番組制作者はロレックスやオメガなど取材申し込みをして断られたのではないか?
ガイアの夜明け制作会社とウブロジャパンの間に何かしら利害関係があるのではないか?
取材対象がウブロになったのは番組制作側の大人の事情じゃないか?と感じました。
次に感じたのはGS高級化路線へのシフトは遅きに失したなあ、という点です。
先進国は工業化が進んだ新興国と価格競争したら必ず負けますから、
国際競争で勝ち残るには高級化か高性能化しか方法がありません。
国内で高級化しても国産メーカーというだけで日本人の多くは懐疑的に見るだけですし、
需要頭打ちの国内に引き篭もってても先はないんですから、
もっと早くブランド化して海外に出るべきだったなあ、
と時計にあまり興味のなさそうな江口洋介を見ながら思いました。
2018年05月09日(Wed) 20:44
No title
編集
僕もセイコーファンとしてこの番組を見ました。焦点を当てたていたのが女性用小型機械式ムーブメントだったのが意外というか残念でした。セイコーが世界と戦うなら個人的にはスプリングドライブをもっと押すべきだと思うのですが、、、
2018年05月09日(Wed) 20:55
はじめまして
編集
いつも、楽しく拝見しております。
また、いろいろと勉強させていただく事が多いです。

「ガイアの夜明け」面白かったですね。

今回は本当に素敵な記事をありがとうごさいました。

世界初の自動巻クロノグラフ開発競争当時、
ジャック・ホイヤー社長と服部社長のやりとりが
何とも面白く、強く印象に残っています。
2018年05月09日(Wed) 22:03
Re: No title
編集
泉筒子 さん

こんばんは。
コメントありがとうございます。

さすが鋭い考察ですね。
確かになぜウブロと思いましたね。
どう考えても購入する層がカブらない気がします。良い方向に解釈すると
新しい素材の開発など他メーカーがやらないことをしてるということで、
セイコーとの対比がしたかったと見ることもできます。
なるほど大人の事情かもしれませんね。ウブロの宣伝か・・・

自ら起こしたクォーツショックで、世界最高レベルの機械式時計技術を
捨ててしまいましたからね。クォーツのおかげで時計の価格も下がり
誰で気軽に買えるモノになったけど、セイコーの時計単価も下がりました。
それでもクォーツの小型化・高性能化、キネティックなどの新しい機構など
を開発し続けました。しかし世界をひっくり返したクォーツレベルのモノを
つくるのは難しい。もはや機械式時計のブランド価値は確立されてしまった
ので、精度を追求するだけでは売れる時計にはならないでしょう。

会社も大きくなり、利益を確保するためには単価を上げるしかありません。
そのためにはなんらかの付加価値をつけないとなりません。
セイコーは世界的なブランドですが、高級なイメージはなく安価でも高性能だと
いう認識でしょう。そう考えるとクォーツショックによるGS空白期間の
影響は大きかったですね。
2018年05月09日(Wed) 22:19
Re: No title
編集
川口智秋 さん

こんばんは。
コメントありがとうございます。

多分、女性用の9Sムーブメントを開発して、デザインするのも組み立てするのも
女性ということで番組としての受けが良いからでしょうね。
私も世界と戦う時計がこれか・・・と思いました。ムーブメントは素晴らしいの
でしょうが、これならセイコーで買う理由が見つかりませんでした。

スプリングドライブはあまり知られてないでしょう。せっかく他メーカーでは
つくることが出来ないムーブメントなのに勿体無いですよね。
イメージ戦略が下手なのだと思います。今は、多少精度は悪くても電気仕掛けの
ないゼンマイだけで動く機械式時計が味わい深い。機械式時計は高度な技術者が
組み立てる高級品・・・という舶来ブランドが仕掛けたイメージが定着しています。

まずは 電気仕掛け=クォーツ=安物 というイメージを払拭しないとダメかもしれません。
2018年05月09日(Wed) 22:20
Re: はじめまして
編集
ひろし さん

はじめまして。
コメントありがとうございます。

世界初の自動巻きクロノグラフはクロノマチックとされています。クロノマチックは
発表が早かったが、実際の量産はセイコーの6139のほうが早かったとか。
でもここでもセイコーは控えめで世界にアピールすることはありませんでした。
この年にクォーツ腕時計を発表するのでそれどころではなかったのかもしれませんけど。

今後ともよろしくお願いいたします。
2018年05月09日(Wed) 22:58
編集
ガイアの夜明けは、残念ながら見逃してしまいました。同局の孤独のグルメは逃さず見てるんですが・・・

閑話休題、セイコーの今後、ですか。
本社経営陣(創業者一族経営)の向く先と技術者達の向く先が今一つ揃っていないことが弱点なんでしょうかね・・・。第三の外様勢力にしてダントツのエンジニアである諏訪がエプソンブランドでトゥルームを立ち上げたとき、ああ、方向が割れたかな。と感じましたが、そこにエンジニア達の意気を見たような気もします。私は、やはりセイコーは豪奢さではなく技術の高さを見せなければ。と思っています。

余談ですが、エプソンと言えば、国産初の実用ハンドヘルドPCを世に出し、松任谷由実のコンサート照明のプログラム制御装置に採用されたと言ういぶし銀の経歴を持ってます。(当時の広告ではそう謳われてました)

今は亡き親父は、根っからのセイコーファンでした。知り合いのつてで入手した国鉄払い下げのセイコー製懐中時計も数個持っていました。そして、死ぬまで一番大事に持っていたのが、銀色のロードマーベルでした。子供のときは、何ともじじむさい時計だと思いましたが、今にして思うと、バーインデックスにビシッとした針、渋いデザインなんだと思い返します。10振動だからな・・・精度がな。と、二言目には自慢してました。(当然、その頃の私には解りませんでした)釣りで海に出るときはロードマーベルを休ませて、5アクタスに付け替えるなど、一生ものの特別な存在だったようです。

その息子の私はと言うと、実働の世界で輝き続けるセイコーダイバーズに魅了され、ブラックボーイ、チタンスキューバ200のメンズとボーイズを併せ持つようになっております・・・浮気者でして、他メーカーの時計も持ち合わせていますが、やはり、どのメーカーも、年鑑のような本を読むと、デザインもメカニズムも、長い歴史を重ねるうちに迷走する時期は必ずあるんだと思います。海外に挑むためには、やはり自社製ムーブメントならではの技術ではないかと。

余談だらけで失礼致しました。
2018年05月09日(Wed) 23:58
Re: タイトルなし
編集
TITANIUM さん

こんにちは。
コメントありがとうございます。

セイコーファンは、色々と調べて時計の知識は増えていきますが、セイコーの
内情は噂話程度しか分かりませんので、想像するしかありません。これだけ
大きな会社になるとひとつの時計を世に出すのも多くの人の意見・許可が必要になり、
企画・設計が優れていても、売れそうにないと判断されると没になったり・改変されたり
するのでしょうね。最近のセイコーの時計を見ていると、なんとなく感じるのです。
ワクワクするような時計はなく、無難すぎたり、えーなんで?と首をかしげるモノも
多いです。

やっぱり諏訪ですかね。諏訪精工舎のクォーツ開発話は何度読んでも胸が熱くなります。
いまでも新しいモノや技術に挑戦し続けるセイコースピリットは残っているのかな。
もはや腕時計は技術的にやり尽くした感もあります。しかしまだできることはあるはず。
電波に頼らない、超高精度の時計(原子腕時計)とか。セイコーの技術力を見せつけて
欲しいです。

私もロードマーベル36000は持っています。確かに子供には渋すぎる時計ですが、
よくよくみるとビジネス時計のわりには、コロンとした外観で可愛いのですよ。
10振動独特の音と滑らかな針の動きが魅力ですね。精度も高いですよ。
おそらく死ぬまで手放すことはないでしょう。

セイコーダイバーズ良いですよね。特にセイコーにこだわってるわけではありませんが
デザイン・性能・価格を比較すると、セイコーばかりになってしまいます。
最近の復刻以外の新しいダイバーズにはあまり惹かれるものがないので、迷走している
時期なのかもしれませんね。
2018年05月10日(Thu) 12:39
No title
編集
こんばんは。
時間を知るだけならケータイでまかなえる今、腕時計に求める物は何か各メーカー色々頭を悩ませていると思います。 機械式で高級路線は訴求力があり、メーカーも売りやすいでしょう。
・・・私は買えませんけど。
セイコーも人気モデルはコピーやオマージュが出たり、ファンもついていますけど裾野を広げるのはなかなか難しいのでしょうね。
2018年05月10日(Thu) 23:15
Re: No title
編集
SID さん

こんにちは。
コメントありがとうございます。

そうなんですよね。今ではどこにでも時計が組み込まれていますから、
わざわざ腕時計を買う必要はありません。海外のお金持ちに高級時計を
売ることが利益確保しやすいのでしょうね。

でも私も含めて多くのセイコーファンは、そんな高級時計は買えないのです。
セイコーが好きな理由は色々ありますが、安価でも高性能でカッコいいこと。
他のメーカーが真似できない時計がたくさんあります。そのイメージが強いから
高級路線にシフトしずらいのでしょうね。

今はチプカシなどの、セイコーよりさらに安くて普通に使える時計が人気だったり
します。ニーズは多様化し、数多くのメーカーがあり、無数の時計が生まれ溢れています。
世界一だった頃のように、一般ユーザーを独占できるような時代ではありません。

昔のセイコーを知っているファンは、またワクワクするような時計をだしてくれるはず・・・
とずっと期待しているのです。今は余裕がないので無理かもしれないけど、いつかきっと。
2018年05月11日(Fri) 14:24












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Author:アカツメ
少ないおこづかいで古い国産時計の収集をしています。時計の紹介・修理・改造・関連話・お得な情報などの記事をボチボチと書いています。

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