FC2ブログ
2020年07月 ≪  12345678910111213141516171819202122232425262728293031 ≫ 2020年09月
TOP時計小物 ≫ 少々難しい ステンレスベルトの弓管加工

少々難しい ステンレスベルトの弓管加工

弓管加工 D5


先日、記事に書いた 6458クォーツダイバー のステンレスベルトは
加工して取り付けました。今日はその加工詳細について書いてみます。
少々マニアックな記事になりますので、退屈かもしれませんが
こういうこともできるということを知っていただけると幸いです。


まずはラグ幅を計測します。データとして19mmであることは知っていましたが、
実際にノギスで計測することが大事です。最終的には現物合わせになるので
あたりをつけるくらいしか使えませんが、計測して実際のデータを取る癖にしてます。


弓管加工 D8


購入したステンレスベルトは、SKX013(ラグ幅20mm)用なので、弓管幅も20mm弱あります。
これもノギスで計測します。この個体は19.75mmでした。SKX013を所有してないので、
クリアランスの設定は分かりませんが、この価格帯の時計はクリアランスが大きめで
組みやすくなっていることが多いです。


弓管加工 D9


今回は単純に左右0.5mmづつ削ることにします。ただし一気に0.5mm削るのではなく、
最後0.2mmくらいは現物合わせします。

弓管の左右端から0.5mm離した位置にマスキングテープを貼ります。
0.5mm刻みのスケールを当てて位置合わせします。そこまで精度は必要ではありませんが
これを目安の削っていくことになるので、大事なところです。


弓管加工 D10


削る部分を油性マジックで塗りつぶします。これは削っているときにマスキングテープが
剥がれても境界が分かるようするためです。

またこの段階で、上のラグ用と下のラグ用で仕分けしておきます。ラグ裏側に上、下と
書いておけばいいでしょう。


弓管加工 D11


削っているところを撮影するの忘れましたが、なるべく研削面は真っ直ぐ、上面に対して90°
になるように削ります。私は今回90°の意識がなかったので、失敗しました(笑)これは
後述します。

最後の0.2mmくらいは、削ってはケースに合わせてみることを繰り返し、削りすぎないように
します。特にラグ内面と平行になるように削ることが重要です。これが斜めになると目立つ
ので慎重に削りましょう。


弓管加工 D12


ケースに合わせたところです。
弓管カーブのところはまだ削ってないので、奥までは入りませんが
ラグ内側と平行に、幅を0.2mmくらい小さくするとスムースに入ります。
隙間を大きくとれば難易度は下がりますが、見た目が悪くなります。しかしあまり
隙間を詰めるとすべての調整がシビアになり難易度はグッと上がります。

そもそもラグの精度もそんなに出てません。上下で幅が微妙に違ったり平行でなかったりします。
だから弓管も上下で分けてそれぞれで合わせていきます。

はみ出てる弓管長さを計測します。これは正確には測れないので大体でいいです。


弓管加工 D13


前項で計測した、弓管の出寸法を弓管カーブ部に、油性マジックで塗りつぶします。
正確なカーブは分からないので適当です。これからは少し削ってはケースに合わせること
を繰り返します。


弓管加工 D14


まだ完全に合ってませんが、ある程度削りながらケースに合わせたところです。
右側に隙間がありますね。角も少し削りすぎています。

先程書いた失敗は、この写真を見ると良く分かります。
弓管左右幅削りを、ラグ平行にするしか考えてなかったので、研削角度90°でなく
かなり斜めになってしまいました・・・まあ自分の時計なのでいいんですけど。ははは。
まあこんなときもあります。次に活かすことができればいいのです。


弓管加工 D15


光源(蛍光灯)に透かすと隙間がよく分かります。まだ奥まで入ってませんから
ケースと当たっている弓管カーブ部分に鉛筆で印をして、さらに削ります。


弓管加工 D16


だいだい削り終わりカーブを合わせたところです。
この段階あたりから、バネ棒も入れて固定できることを確認します。

弓管加工 D17
バネ棒が通る、弓管のバネ棒押えはできるだけバネ棒に寄せます。曲げすぎるとバネ棒が
入らなくなりますが、少しキツめに入るくらいに調整します。こうしないと弓管端部が
ラグからはみ出したままになります。また弓管下部の爪はラグ側に曲げて常にラグに
密着するようにします。

この調整をした段階で、弓管カーブ部の最終削り込みをします。もうここからは削りすぎると
それだけ隙間ができることになるので、慎重に削ります。面倒くさいけど少し削っては
ケース合わせの繰り返しです。


弓管加工 D1


弓管カーブ削り終了です。
端部がめくれてカエリができていますし、キズも付けてしまったので、弓管上面を仕上げ直します。

目の細かい精密ヤスリで、端部のカエリを除去したあと、キズを削り取ります。
その後、#400のペーパーヤスリから番手を上げながら全体を仕上げます。
真ん中のポリッシュ部は#2000までヤスリをあててからコンパウンドで鏡面に仕上げます。


弓管加工 D2


真ん中のポリッシュ部をマスキングテープを貼り付けます。
スポンジヤスリで両端部をヘアライン仕上げにします。小さい部品ですが
なるべく真っ直ぐに平行にヘアラインが入るようにします。結構目立つ部品なので
丁寧に仕上げます。


弓管加工 D3


はい。完成です。
ベルトとバネ棒を入れて、ケースに取り付けます。


弓管加工 D6


この角度で時計を見ることは、ほとんどありませんが、失敗したところが
良く分かります・・・バネ棒が見えちゃってます。恥ずかしい・・・・


弓管加工 D4


裏側から見るとこんな感じです。


どうでしたか。
少し難易度は上がりますが、ラグ幅が違ってもステンレスベルトは合わせることが
できます。ただし必ず付けられるわけではありません。
削るのもせいぜい左右で2mmくらいが限界だと思います。あまり削るとバネ棒を外す欠き取りも
なくなってしまうので、新たに欠き取りする必要がでてきますし、ベルト幅とラグ幅が違いすぎる
と見た目も良くありません。

昔のセイコーはラグ幅19mmという時計が結構あります。そのためウレタンベルトは今でも19mm幅が
販売されています。しかしステンレスベルトの種類は意外にありません。このようにラグ幅を削る
ことができれば20mm幅のステンレスベルトが流用できるので、カスタムの幅が広がるのです。
スポンサーサイト



時計小物 | Comments(6) | Trackbacks(-)

コメント

No title
編集
図解付きでありがとうございます。勉強になります!
2018年05月29日(Tue) 23:59
Re: No title
編集
はーど さん

こんばんは。
コメントありがとうございます。

少々マニアックな記事でしたが、需要があることが分かって
嬉しいです。ベルト流用も数をこなすと、計測しなくても
なんとなく合う合わないが分かってきます。
2018年05月30日(Wed) 22:43
No title
編集
バッチリ決まっていますね、加工大変な作業かと思います。自分には技量も無く自信がありません。実は同じ時計を所有していますがウレタンベルト以外に似合うベルトは無いのか探しています。例えばZULUやNATOならオレンジ文字盤には何が合うと思いますか?
2018年06月08日(Fri) 12:28
Re: No title
編集
山南蒼天 さん

こんにちは。
コメントありがとうございます。

そうですね。私は工業高校卒で金属加工は昔からしていたので、この加工も苦では
ありませんが、経験がない方にはハードルが高いと思います。ネット上で検索しても
弓管の加工する人はあまりいませんね。こんなこともできると参考程度に見ていただければ。

そうですね。この時計で難しいのは19mmというラグ幅です。
お気に入りの Crown and Buckle のプレミアムNATOも19mmが廃盤になってしまいました。

ベタですけど、NATOだとこれですかね。
http://amzn.asia/5RqvA3z 

かなり派手だけど、これも似合うでしょう。
合わせるファッション的には難易度は高いですけど・・・
https://www.crownandbuckle.com/orange-nato-19mm.html

あと思いつくのはシャークメッシュやミラネーゼベルトですけど、これまた
19mmがないのです。20mmを加工すればつきますけど、誰でもできるわけじゃない
ですし、どうしても端の処理に無理がでます。

今流行りのパーロンストラップもことごとく19mmがありません。
おそらくNATOとかパーロンなどの薄いナイロン製のベルトは、20mm幅でも
押し込めるとは思うのですか、これも端に無理がでるので見た目が少し
悪くなると思います。これは近いうちに試して記事に書いてみます。

私も想像で書いていますから、実行例が無い以上、自分で試行錯誤するしか
ありません。私もそうやって多くのNATOベルトが余っているのです・・・(笑)
2018年06月09日(Sat) 18:03
No title
編集
アカツメさん
そうでしたか、アカツメさんが器用な訳が解りました。加工が出来て羨ましいです。私はやっとガラス交換に自信が持てるようになりました。
19mmは難しいですね、以前オリエントの19mmでなかなか良いのが無くて困った事があります。ボンドNATO、18mmと22mmはあるのであてがってみましたら似合いますね。アカツメさん紹介のオレンジも良い感じですが年齢的に私はダメかな(笑)20mmの黒の合皮+ナイロンのNATOタイプを付けてみましたが違和感なく装着出来ました。しばらくはこれで行こうと思います、ありがとうございました。アカツメさんはこの時計、プレゼントなされて素晴らしいです。私は自分で使っています、サイズ的に少し小さい気はしますが結構気に入ってしまっています。
2018年06月09日(Sat) 23:16
Re: No title
編集
山南蒼天 さん

こんばんは。
コメントありがとうございます。

そうなんです。本当に19mmは悩みますねえ。革ベルトなら選択肢もあるのですけど、
ナイロンベルトはなかなか良いモノがありません。納得できる組み合わせが見つかって
良かったですね。

私もこのサイズでも良い感じです。記事の写真の通りです。
プレゼントしてどうなるか不安でしたが、気に入って毎日使っているようです。
しかし7548-700Cとペアで使うのは恥ずかしくて、違う時計にしてしまいます。
2018年06月11日(Mon) 21:44












非公開コメントにする
プロフィール

アカツメ

Author:アカツメ
少ないおこづかいで古い国産時計の収集をしています。時計の紹介・修理・改造・関連話・お得な情報などの記事をボチボチと書いています。

アーカイブ
検索フォーム
ブロとも申請フォーム
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

おすすめ時計関連品

22mmウレタンベルト
消耗品です(ボーイ用)
切れる前にどうぞ

22mm セイコー SEIKO    ウレタン バンド DAL0BP


20mmウレタンベルト
消耗品です
(モンスター同等品)
切れる前にどうぞ

20mm セイコー SEIKO    ウレタン バンド DB73BP


20mm無垢ステンレスベルト
アルピニストSARB017
に無加工で取り付け可能
セイコー純正品です

20mm セイコー 時計バンド  アルピニスト 専用バンド ステンレススティール SARB013 SARB015 SARB017の専用ブレス


一番おすすめDバックル
この価格でこの品質
今のところ私はこれ一択
(サイズ要確認)

松重商店 DX01S 16mm 高品質観音開きワンタッチ式Dバックル 銀色


おすすめ革ベルト
非常に安価ですが丁寧な
つくりで満足度高いです
(色・サイズ要確認)

【牛革 - 厚手・ラグステッチ】YC315 a1816 色:黒/ベルト幅:18mm/尾錠巾:16mm/厚さ:約 5-3mm


おすすめ革ベルト
モレラートの製品は
色がキレイですよ
(色・サイズ要確認)

[モレラート]MORELLATO 時計バンド LIVERPOOL リバプール 18mm ブラウン 牛革型押し U0751 376 037 018


ベルト交換用の工具です
ステンレスブレスの交換
に最適。革ベルトも可
1本あると便利ですよ

CHRONOWORLD オリジナル バネ棒はずし [クロノワールド chronoworld][腕時計]


おすすめNATOベルト
色の種類が多いので迷います
格安なので複数本買えばOK
(サイズ要確認)

[2PiS] ( マリーン ダブルネイビー・センターホワイト : 20mm ) NATO 腕時計ベルト ナイロン 替えバンド ストラップ 交換マニュアル付 11-1-20


上のベルトより高品質
ダイバーなど大きな時計に
ピッタリですね カッコいい
(サイズ要確認)

ZULUDIVER NATO G10 ナイロン製ミリタリーウォッチ 替えベルト 時計バンド ストラップ PVD加工ブラックバックル グリーン 22mm


涼しげで夏にオススメ
これもダイバーなど大きな
時計にピッタリですね
(サイズ要確認)

Geckota ダイバーズウォッチ オリジナル シャークメッシュ Hリンク Dバックル ヘビーデューティー “チェーンメール ブレスレット メタルブレス 時計交換ベルト ステンレス製 サテン仕上げ 22mm


裏蓋あけるときに必要です
爪の精度が高く確実に
固定できます 
私も使ってます

MKS 側開器


裏蓋あけるときに必要です
フレキシブルでどんな
ケースも固定できます 
少し高価ですけど使えば
良さはわかると思います

SEIKO 万能ケースホルダー S-212 C02022

POWERED
Template by
FC2ブログのテンプレート工房
Design&Customize by
Pretty Heart-blog
Powered by FCブログ